【経過措置は2028年度まで!】1級電気工事施工管理技士を取るなら今が動き時

京都・亀岡市の行政書士、松川正義です。
建設業許可(電気工事業)を取得・維持するうえで、営業所に配置する技術者の資格は重要な要件の一つです。その中でも「1級電気工事施工管理技士」は、大規模工事の監理技術者として活躍できる最上位の施工管理資格です。2024年度の制度改正により受験資格が大きく変わりましたが、「自分はいつ受けられるの?」と把握できていない方も多くいます。本コラムでは、1級電気工事施工管理技士の取得条件をわかりやすく整理します。


1級電気工事施工管理技士とはどんな資格か

1級電気工事施工管理技士は、電気設備工事の施工計画・工程管理・品質管理・安全管理を担う技術者に与えられる国家資格です。建設業許可(電気工事業)において、営業所の専任技術者や現場の監理技術者として配置できる資格であり、請負金額に制限なく大規模な電気工事を扱えます。

資格 営業所の専任技術者 現場の技術者 請負金額の目安
1級電気工事施工管理技士 ○(特定・一般両方) 監理技術者・主任技術者 制限なし
2級電気工事施工管理技士 ○(一般建設業のみ) 主任技術者 4,500万円未満の下請工事
第一種電気工事士 ○(一般建設業のみ) 主任技術者 4,500万円未満の下請工事
建設業許可との関係:特定建設業許可(下請に4,500万円以上発注できる許可)を取得・維持するためには、営業所の専任技術者として1級電気工事施工管理技士または技術士(電気電子部門)が必要です。事業を拡大したい電気工事業者にとって、1級取得は避けて通れない目標といえます。

【2024年度改正】試験は「第一次検定」と「第二次検定」の2段階

1級電気工事施工管理技士の試験は、第一次検定第二次検定の2段階で構成されています。2024年度(令和6年度)の制度改正により、受験資格が大きく変わりました。

第一次検定

19歳以上なら誰でも受験可能

2024年度改正により、学歴・実務経験は一切不要。試験年度末日(3月31日)時点で満19歳以上であれば受験できます。マークシート方式で電気工学・施工管理法・法規の知識が問われます。

第一次検定 合格後

「1級電気工事施工管理技士補」に

第一次検定に合格すると「1級電気工事施工管理技士補」の資格が得られます。技士補は監理技術者の補佐として現場に配置でき、実務経験を積みながら第二次検定を目指せます。

第二次検定

実務経験が必要・記述式試験

一定の実務経験を積んだうえで受験できます。記述式が中心で、施工図の作成・工程管理・安全管理・品質管理などの実務的な知識が問われます。合格率は例年35〜40%程度です。


第二次検定の受験資格|あなたはどのルート?

第二次検定の受験には実務経験が必要です。2024年度改正により新制度と、2028年度まで有効な旧制度(経過措置)の2つのルートがあります。自分に有利な方を選んで受験することができます。

【新制度】2024年度〜のルート

新制度 ルートA

1級技士補として実務経験を積んだ場合

第一次検定合格(1級技士補取得)後、電気工事の実務経験1年以上(うち1級技士補として監理技術者補佐の経験1年以上)で受験可能。
※最短ルート:19歳で第一次検定受験→合格後1年の実務経験で第二次検定へ

新制度 ルートB

2級電気工事施工管理技士を取得している場合

2級合格後、電気工事の実務経験3年以上(うち1年以上は指導監督的実務経験)で受験可能。
※2級取得者は比較的短期間で1級へのステップアップが可能です。

新制度 ルートC

実務経験のみで受験する場合

電気工事の実務経験5年以上(うち1年以上は指導監督的実務経験)で受験可能。
※学歴・保有資格を問わず、実務経験年数のみで受験できます。

第一種電気工事士の免状を持っている方へ:第一種電気工事士の免状保有者は、旧制度(経過措置)を利用することで、学歴による実務経験年数の要件ではなく、免状取得後の実務経験年数でより有利に第二次検定の受験資格を満たせる場合があります。ただし実務経験ゼロで受験できる特例ではありません。自身の学歴・免状取得年・実務経験年数を整理したうえで、新制度・旧制度どちらが有利かを確認することをおすすめします。詳細は建設業振興基金の「受検の手引」でご確認ください。

【旧制度・経過措置】〜2028年度まで有効なルート

2024年度改正前の旧受験資格は、2028年度(令和10年度)まで経過措置として有効です。旧制度では学歴に応じた実務経験年数が求められましたが、すでに一定の実務経験を積んでいる方は旧制度での受験が有利な場合があります。

最終学歴 必要な実務経験年数 うち指導監督的実務経験
大学(電気系学科)卒業 3年以上 1年以上
短大・高専(電気系学科)卒業 5年以上 1年以上
高校(電気系学科)卒業 10年以上 1年以上
その他(学歴・学科不問) 15年以上 1年以上
経過措置の期限に注意:旧制度での受験は2028年度(令和10年度)までです。2029年度以降は新制度のみとなります。旧制度での受験を考えている方は、期限内に計画的に進めましょう。なお、2024〜2028年度の間に旧制度で第二次検定を受験した場合、2029年度以降も再受験が可能です。

実務経験としてカウントされない工事に注意

実務経験年数を計算する際、すべての現場経験が「電気工事の実務経験」としてカウントされるわけではありません。以下の点に注意が必要です。

注意点①

弱電工事は実務経験に含まれない

電話・LAN・防犯カメラなどの弱電工事(電気通信工事)は、電気工事の実務経験としてカウントされません。担当工事の種別を改めて確認しましょう。

注意点②

単純な補助作業は対象外の場合あり

施工管理の経験が問われるため、単純な補助作業のみの期間は実務経験として認められない場合があります。工事の規模・内容・役割を記録しておくことが重要です。

注意点③

指導監督的実務経験の確認

第二次検定には「指導監督的実務経験1年以上」が必要です。現場代理人・主任技術者・工事主任などとして、工事全体を管理した経験が求められます。

注意点④

実務経験証明書の準備

第二次検定の新規受験は書面申込が必要で、実務経験証明書を提出します。過去の工事記録・雇用証明・契約書類を整理しておきましょう。


合格後に建設業許可へつなげるには

1級電気工事施工管理技士を取得したら、建設業許可の要件を満たす技術者として活用できます。具体的には以下の場面で効力を発揮します。

  1. 新規で建設業許可(電気工事業)を申請する際の専任技術者として登録
  2. 特定建設業許可へのランクアップ時の専任技術者要件を充足
  3. 4,500万円以上の下請発注が発生する現場の監理技術者として配置
  4. 資格者証の交付申請(監理技術者証)→ 監理技術者資格者証の取得
監理技術者証について:1級電気工事施工管理技士を取得後、監理技術者として現場に配置するためには「監理技術者資格者証」の交付申請と、監理技術者講習の受講(5年以内)も必要です。資格取得後はこちらも忘れずに手続きを進めましょう。

まとめ

1級電気工事施工管理技士は、2024年度の制度改正により19歳以上なら誰でも第一次検定を受験できるようになり、資格取得へのハードルが下がりました。第一種電気工事士の免状をお持ちの方は、旧制度(経過措置)を活用することで有利に受験できる場合があります。旧制度の経過措置は2028年度までですので、現在の学歴・資格・実務経験をもとに、自分に有利なルートを早めに確認することが重要です。建設業許可の取得・ランクアップを視野に入れている方は、資格取得の計画と許可申請の準備を並行して進めることをおすすめします。

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