【2026年最新】電気工事業者必見!外国人人材(特定技能)を現場で適法に活用する3つの鉄則と落とし穴

京都・亀岡市の行政書士、松川正義です。
厚生労働省の調査(2025年6月時点)によると、電気工事士の有効求人倍率は3.8倍と、全業種平均(1.17倍)の約3倍以上に達しています。求人を出しても応募が来ない、採用しても定着しないという悩みは、もはや業界全体の構造問題となっています。こうした深刻な人手不足を背景に、特定技能制度を活用して外国人材を現場に迎え入れる動きが今後さらに活発になることが予想されます。
しかし「在留資格さえあれば何でもできる」と思い込んだまま雇用を進めると、思わぬ法令違反やトラブルに発展するケースが後を絶ちません。本コラムでは、電気工事業者が特定技能外国人を適法かつ効果的に活用するための3つの鉄則と、現場でよく見られる落とし穴を解説します。


そもそも電気工事業で特定技能は使えるの?

特定技能制度は、深刻な人手不足が認められた特定の産業分野において、即戦力となる外国人材を受け入れるための在留資格です。建設分野では2022年8月の閣議決定により、従来の19業務区分が「土木」「建築」「ライフライン・設備」の3区分に統合されました。電気工事業は業務区分「ライフライン・設備」に該当し、電気通信・ガス・水道・電気その他のライフライン・設備の整備・設置・変更・修理に係る作業への従事が認められています。特定技能1号・2号の外国人材を雇用することが可能です。

特定技能1号 特定技能2号
在留期間 通算5年まで(更新可) 上限なし(更新可)
家族帯同 原則不可 可能
要件 技能試験+日本語試験 合格 より高度な技能試験 合格
受入れ企業の義務 支援計画の策定・実施が必要 支援計画の策定・実施が必要
2026年のポイント①:建設分野の特定技能2号は2023年度から受入れが開始されており、優秀な外国人材の長期雇用・幹部登用の道も開けています。採用・育成を早めに進めることが競争優位につながります。

2026年のポイント②【育成就労制度への移行】:2024年6月の法改正により、技能実習制度を廃止し新たに「育成就労制度」が創設されます。2027年4月1日施行が決定しており、建設分野も対象です。育成就労では3年間の就労を通じて特定技能1号水準の人材を育成し、そのまま特定技能1号へ移行できる制度設計となっています。つまり「育成就労→特定技能1号→特定技能2号」という長期キャリアパスが明確化されます。現在技能実習生を受入れている電気工事業者は、2027年の施行に備えた移行準備を今から進めておくことが重要です。

鉄則3選|現場で適法に活用するために

鉄則 01

「電気工事士法」との関係を正しく把握する

特定技能の在留資格を持っていても、電気工事士の免状を持たない外国人が電気工事作業を単独で行うことは違法です。電気工事士法では、一定の電気工事については第一種・第二種電気工事士の免状保有者が作業にあたることを義務付けています。実態として、来日時点で電気工事士免状を持つ外国人はほとんどいません。そのため受入れ当初は、有資格者の監督下での補助作業として現場に入ってもらいながら、並行して第二種電気工事士の取得を目指した育成計画を立てることが現実的かつ効果的です。免状取得後は単独作業が可能になり、現場の即戦力として大きく貢献できるようになります。育成方針や試験対策のサポート体制については、ぜひ当事務所にご相談ください。

鉄則 02

支援計画を形だけで終わらせない

特定技能1号外国人を受け入れる場合、受入れ機関(雇用する会社)は「1号特定技能外国人支援計画」を策定・実施する義務があります。具体的には、事前ガイダンス・住居確保の支援・生活オリエンテーション・日本語学習機会の提供・相談窓口の設置など10項目にわたる支援が求められます。書類だけ整えて実態が伴っていない場合は行政指導・改善命令の対象となります。支援業務を自社で行えない場合は、登録支援機関に委託する方法もあります。

鉄則 03

各種届出・定期報告を期限内に確実に行う

特定技能外国人を雇用している間、受入れ機関には出入国在留管理庁への定期的な届出義務が課されています。主な届出には「受入れ状況に係る届出(四半期ごと)」「支援実施状況に係る届出(一年ごと)」「雇用契約に係る届出(変更時)」などがあります。届出を怠った場合、特定技能外国人の在留資格更新に影響が出るだけでなく、受入れ機関としての適正性に疑義が生じ、今後の受入れが困難になる場合もあります。


落とし穴3選|現場でよくあるNG事例

落とし穴 01

「建設分野」の特定技能なら何でもできると思っていた

建設分野の特定技能といっても、従事できる業務は「特定技能評価試験」の区分に対応した職種に限られます。たとえば内装仕上げの試験に合格した外国人を電気工事の現場に配置することは認められません。雇用する際は、本人の取得した特定技能の職種区分と、実際に担当させる業務が一致しているか必ず確認してください。

落とし穴 02

在留カードの有効期限切れを見落としていた

在留カードには有効期限があり、期限切れのまま就労を継続させると不法就労助長罪として雇用側も処罰対象になります(3年以下の懲役または300万円以下の罰金)。また在留資格の更新申請は期限の3か月前から可能です。複数名を雇用している場合は、それぞれの在留カード有効期限を一元管理する仕組みを社内で作ることが重要です。

落とし穴 03

建設キャリアアップシステム(CCUS)への登録を忘れていた

建設分野の特定技能外国人を受け入れる場合、受入れ機関・外国人本人ともに建設キャリアアップシステム(CCUS)への登録が義務付けられています。登録なしでは特定技能在留資格の申請・更新が受理されない場合があります。CCUSの登録は時間がかかるケースもあるため、採用が決まったら早めに手続きを進めることが重要です。


受入れまでの主な手続きの流れ

  1. 採用候補者の特定技能試験・日本語試験の合格証明を確認
  2. 雇用条件の確認(同等の日本人と同等以上の報酬・待遇が必要)
  3. JAC(一般社団法人建設技能人材機構)への加入(正会員団体への加入または賛助会員として直接加入)
  4. 建設キャリアアップシステム(CCUS)への事業者登録・本人登録
  5. 建設特定技能受入計画の認定申請(国土交通省へ提出・JACの会員証明書の添付が必要)
  6. 1号特定技能外国人支援計画の策定(自社対応または登録支援機関への委託)
  7. 在留資格認定証明書の交付申請または在留資格変更許可申請を出入国在留管理局へ提出
  8. 許可後、雇用開始・支援計画に基づく支援の実施
  9. 四半期ごとの届出・年次報告を継続
JACへの加入について:建設分野の特定技能外国人を受け入れるすべての企業は、JACへの加入が義務付けられています(国土交通省運用要領)。JACの正会員である建設業者団体(日本電設工業協会など)の会員となる方法と、JACの賛助会員として直接加入する方法があります。加入申請から会員証明書の取得まで約1ヶ月半〜2ヶ月かかるため、採用を決めたら最優先で手続きを進めましょう。なお、会員証明書は建設特定技能受入計画の認定申請に必要な書類です。
建設特定技能受入計画について:建設分野の特定技能外国人を受け入れる場合、出入国在留管理局への在留資格申請の前に、国土交通省への「建設特定技能受入計画」の認定を受けることが必須です。計画書には、受入れ企業の概要・外国人の業務内容・報酬・キャリアアップの方針などを記載します。審査期間を含めると、雇用開始の2〜3か月前には準備を始めることが望ましいです。
注意:JAC加入・CCUS登録・建設特定技能受入計画の認定・在留資格申請と、建設分野は他分野と比べて手続きが多く、全体で3〜5か月程度の準備期間を見込んでおく必要があります。現場の人員計画に合わせて早めに動き出すことが重要です。

まとめ

電気工事業界における特定技能外国人の活用は、人手不足の解消と現場力の強化に有効な手段です。しかし、電気工事士法との関係・支援計画の実施・定期届出・CCUS登録など、守るべきルールは多岐にわたります。「とりあえず採用してから考える」では、法令違反や受入れ取消しのリスクを招きかねません。採用を検討している段階から専門家に相談し、適切な体制を整えて受け入れることが、長く安定した雇用につながります。

無料相談受付中

特定技能外国人の採用・在留資格手続き、
まずはお気軽にご相談ください

在留資格の申請・変更・更新、支援計画の策定サポート、
各種届出・定期報告の代行まで、ワンストップでお任せいただけます。
電気工事業・建設分野の特定技能手続きに対応。
京都・亀岡市を中心に、京都府・大阪府全域対応。

お問い合わせはこちら 松川正義行政書士事務所 お問い合わせフォーム
目次