【受配電設備】非常用発電機の危険物許可申請とは?軽油・重油の指定数量と申請手続きをわかりやすく解説【2026年版】

京都・亀岡市の行政書士、松川正義です。
ビルや工場・病院などに設置される非常用発電機。その燃料となる軽油・A重油などは、消防法上の「危険物(第4類)」に該当します。発電機本体の設置工事は電気工事業者が担いますが、燃料の貯蔵・取扱量が消防法上の「指定数量」以上になる場合、危険物施設としての許可申請が別途必要になります。この許可申請書類は官公署(消防署)に提出する書類にあたるため、施主に代わって報酬を得て作成できるのは行政書士だけです。当事務所では、非常用発電機設置に伴う危険物許可申請を数多く手がけており、電気工事業者様との連携も歓迎しております。


非常用発電機の燃料は「第4類危険物」

非常用発電機の燃料として使われる軽油・A重油などは、消防法上の第4類危険物(引火性液体)に分類されます。危険物は貯蔵・取扱いの数量に応じて規制の内容が段階的に変わります。

燃料の種類 消防法上の区分 指定数量 主な用途
軽油 第4類 第2石油類 1,000 L 中小規模の非常用発電機
A重油 第4類 第3石油類 2,000 L 大規模・長時間運転の非常用発電機
複数燃料を同一場所で扱う場合の注意:軽油とA重油など複数の燃料を同一施設で貯蔵・取扱う場合、それぞれの量を各指定数量で割った値の「合計」で判断します(消防法第10条第2項)。例えば軽油800 L+A重油1,000 Lの場合、0.8+0.5=1.3となり、指定数量以上(倍数1以上)として危険物施設の規制対象になります。個別では指定数量未満でも、合算すると超えるケースがあるため注意が必要です。

燃料の量によって必要な手続きが3段階に変わる

指定数量
以上

危険物施設の設置許可申請が必要(消防法)

燃料の貯蔵(タンク)については「危険物貯蔵所設置許可申請」、発電設備の設置場所での取扱いについては「危険物一般取扱所設置許可申請」が必要です。市町村長等への許可申請・完成検査が義務付けられます。許可なしに設置・使用することはできません。

指定数量の
1/5以上
指定数量未満

少量危険物貯蔵取扱届出書の提出が必要(市町村条例)

消防法ではなく、各市町村の火災予防条例に基づく「少量危険物貯蔵取扱届出書」の提出が必要です。許可ではなく届出ですが、管轄消防署への提出と完成検査が必要になります。こちらの書類作成・届出代行も行政書士の業務です。

指定数量の
1/5未満

消防法上の許可・届出は原則不要

指定数量の1/5未満(軽油なら200 L未満、A重油なら400 L未満)であれば、消防法上の許可・届出は原則不要です。ただし市町村条例によって基準が異なる場合があるため、管轄消防署への確認が必要です。


指定数量以上の場合に必要な許可申請の種類

非常用発電機の燃料が指定数量以上になる場合、燃料タンクの「貯蔵」と発電機設置場所での「取扱い」は別々の許可申請が必要になります。

許可申請①

危険物貯蔵所設置許可申請

燃料タンク(主燃料タンク)が屋内・屋外・地下のいずれに設置されるかによって「屋内タンク貯蔵所」「屋外タンク貯蔵所」「地下タンク貯蔵所」のいずれかの区分で許可申請を行います。タンクの構造・設置場所・防油堤の有無なども審査対象です。

許可申請②

危険物一般取扱所設置許可申請

発電設備の設置場所(機械室など)が「一般取扱所」として規制を受けます。給油取扱所・販売取扱所・移送取扱所以外で危険物を取り扱う施設が対象です。発電機の場所・燃料消費量・運転時間をもとに申請書を作成します。

追加手続き

完成検査前検査申請(タンク検査)

液体危険物を貯蔵・取扱うタンクを設置する場合、施設全体の完成検査を受ける前に、当該タンクの「完成検査前検査申請」を市町村長等に行い、検査を受ける必要があります。

変更時も申請が必要

危険物施設変更許可申請

既存の危険物施設でタンク容量の変更・燃料種別の変更・施設の改修を行う場合も変更許可申請が必要です。「大きなタンクに換えたい」という場合も申請が必要になります。

市町村条例による上乗せ基準に注意:危険物施設の規制は消防法・危険物規制政令を基本としながら、各市町村の条例・消防局の審査基準によって上乗せ規制が設けられることがあります。京都市・大阪市などの政令市では独自の審査基準が存在します。申請前に管轄消防署へ必ず事前相談を行うことが重要です。

これらの申請書類は行政書士の独占業務

危険物貯蔵所設置許可申請書・一般取扱所設置許可申請書・少量危険物貯蔵取扱届出書などは、いずれも市町村長等の官公署に提出する書類です。

行政書士法違反に注意(2026年1月改正):これらの官公署提出書類を「他人の依頼を受け、いかなる名目によるかを問わず報酬を得て」作成することは、行政書士または行政書士法人でなければできません(改正行政書士法第19条第1項)。電気工事業者が施主に代わって申請書類を作成し、工事費に含める形で対価を得ることも違法とみなされる可能性があります。違反した場合は1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金(同法第21条)が科される可能性があり、会社にも両罰規定が適用されます(同法第23条の3)。

申請から完成検査までの流れ

  1. 管轄消防署への事前相談(設置場所・燃料種別・タンク容量・運転時間を持参)
  2. 危険物施設の区分の確定(貯蔵所の種類・一般取扱所の確認)
  3. 申請書類の作成(行政書士が担当):許可申請書・配置図・構造図・消防設備計画など
  4. 市町村長(消防署経由)へ許可申請書を提出
  5. 書類審査・現地確認(消防署担当者による審査)
  6. 設置・変更工事の実施(電気工事業者・設備工事業者が担当)
  7. 完成検査前検査(タンク検査)(液体危険物タンクが対象)
  8. 完成検査申請・合格→ 危険物施設の使用開始
電気工事業者との役割分担:電気工事業者は発電機本体の設置・電気配線工事・試運転を担当し、危険物施設の許可申請書類の作成・消防署との調整・完成検査の立会い調整は行政書士が担当します。当事務所では電気工事業者様からのご紹介・パートナー連携を歓迎しており、施主へのワンストップサービスの実現をサポートします。

まとめ

非常用発電機の設置は電気工事の専門業務ですが、燃料の貯蔵・取扱いが指定数量以上になる場合は、危険物施設としての許可申請が別途必要になります。この申請書類は行政書士の独占業務であり、電気工事業者が施主に代わって作成することは行政書士法上のリスクを伴います。当事務所は非常用発電機設置に伴う危険物許可申請を数多く手がけており、電気の専門知識を持つ行政書士として、申請から完成検査まで一貫してサポートします。施主への適法なサービス提供のために、ぜひ当事務所との連携をご検討ください。

当事務所の実績と強み:当事務所の代表行政書士は第三種電気主任技術者・第一種電気工事士の両資格を保有しており、非常用発電機設置に伴う危険物許可申請(危険物貯蔵所設置許可・危険物一般取扱所設置許可・少量危険物届出)を数多く手がけてきた実績があります。電気設備の技術知識と危険物申請の実務経験を兼ね備えた行政書士として、電気工事業者様・施主様双方に信頼いただける申請サポートを提供します。
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